遺言

遺言とは?

遺言書

遺言」、何やら重々しい響きの言葉ですね。読み方は一般的には「ゆいごん」ですが、法律用語としては「いごん」と発音します。広辞苑によれば、

「死後のために物事を言い遺すこと。また、その言葉。」

と書かれています。つまり、自分が死ぬ前に、自分の死後関係ある人たちに対して、自分が死んだ後は、ああしれくれ、こうしてくれと依頼をしたり、あるいは自分の今までの人生観を綴ったりすることですね。

たいていは財産を分ける話がメインになりますが、財産に限らずに人生の考え方や家訓など精神的、倫理的な面で言葉を残すこともあります。「辞世の句」といって、死ぬ前に自分の思いを詩や短歌、俳句などにしたためるのもよくあることです。歴史上の偉人が詠んだ辞世の句などは、現代にまで語り継がれて、多くの人の人生の糧となったりしていますが、これも素晴らしい遺言の一つでしょう。

死後のために物事を言い遺すことはいつでも誰でもできることでその人の自由にしてもらって構わないのですが、それを自分の死後に法的効力を持たせるには一定の形式に従って行う必要があります。なぜなら、一定の形式がないと、遺言をした時や聞いた人によって内容が異なって何が故人の意思なのかわからなくなり、残された人がその遺言に従って正しく行動することができなくなってしまうからです。たとえば、長男は父親から自宅をやると口頭で言われていたのに、次男も父親から自宅をやると手紙で書かれていたとしたら、どちらをとればよいかわからず、長男と次男の争いになってしまうかもしれません。

そういう無用なトラブルを防ぎ、せっかく書いた遺言を無駄にしないためにも、遺言は一定の形式に従って行う必要があります。ただ、難しいものではなく、最低限書かなければならないことを書き、定められた方法で作成していれば、内容はほぼ自由です。

実際にどうやって書いたらよいか、どんな事例があるかなど、徹底的に解明し、皆様の遺言作成にお役に立てれば幸いです。

遺言の効力

遺産相続をする時にしたためる遺言書はかなりの効力を持っているのですが、どれぐらいの効力を持っているのでしょうか。基本的には遺言書通りに遺産相続を行うのですが、必ずしも遺言通りにしなければいけないというわけではなく、もし不満があるのであれば、地裁に対して訴えを起こすことで遺言書を無効化することも可能です。
ただし、訴えを起こしたからと言って必ず遺言書が無効化されるというわけではないので、どうしても遺言書の内容に納得がいかないのであれば、しっかりと法律に詳しい弁護士や税理士などの専門家と相談し、遺言書を無効化できるのかを確かめておくべきでしょう。
通常遺産相続は家族で行われるものなので、できる限り争いは避けるために、遺言書に従って遺産相続を行うのが一般的です。遺言書に異議を唱える人の多くは、被相続人と仲違いをしていた場合や、迷惑をかけていた可能性が高いので、訴えを起こしても認められないというケースが多くなっていることもあらかじめ知っておくべきでしょう。

遺言書の種類

自筆証明遺言

遺言書には色々と種類があるのですが、最も一般的なのは自筆証明遺言書と呼ばれている種類です。自筆証明遺言書というのは、自分で遺言書をしたためるだけではなく、承認を得る必要もないので、非常に気軽な遺言書と言えるでしょう。
このように気軽で簡単に作成できる自筆証明遺言書ですが、実は欠点も存在しているということを知っているでしょうか。どのような欠点があるのかというと、承認を得る必要がないので、遺産相続に不満を持っている人が、信ぴょう性に欠けると言いだした場合、法律的にも有効的ではないと判断されてしまう可能性があります。
このように色々な種類が存在している遺言書ですが、必ず一長一短があるので、色々と面倒なことをしなくてはいけない場合にはしっかりと法律が適用され、トラブルになる確率が低いものの、自筆証明遺言書のように気軽に作成できる場合には、逆にトラブルとなってしまう可能性が高いという欠点もあるのです。よって遺言書を作成する前に、弁護士に色々と相談しておくべきでしょう。

公正証書遺言書

遺言書の中には最も効果的といわれている種類もあるのですが、それが公正証書遺言書です。公正証書遺言書とは、公証人と証人の2人が作成に同席し、遺言書の内容までしっかりと確認した上で作成されるので、このような内容になっているということまで公証人と証人がはっきりとわかります。
よって後でこのような遺言書は認められないと第三者が騒いでも、必ず遺言書の内容通りに遺産相続を進めていくことが可能になるので、最も効果的な遺言書と言われているのです。しかも公証人が遺言書を保管しておくという特徴もあるので、後になって遺言書が噴出したというトラブルも無く、裁判所の検閲も必要がありません。
このような遺言書を作成することも法律によって認められているので、もし公正証書遺言を作成したいと考えている場合には、まず弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。第三者に見られるのは嫌だという人は、別の方法で遺言書を作成することも可能なので、その点もあわせてしっかりと相談するべきです。

秘密証書遺言書

色々な書き方がある遺言書ですが、場合によっては自分が亡くなるまで誰にも内容を知られたくないと考えている人もいるでしょう。このような方法が可能なのかというと、実際には可能となっています。自分が亡くなるまでは、家族であっても内容を知られないような種類の遺言書を、秘密証書遺言書と呼んでいます。
しかし、自分だけで遺言書を書いて隠しておいても、それが法律的に有効であるのかという証明ができませんので、通常は公正役場で作成し、証人2人が同席をして、確かに書いているということを証明するような方法で作成するのが一般的です。
通常証人となるのは弁護士が一般的なのですが、特に弁護士でなければいけないという決まりはありません。ただし、このような方法は身内をあまり信用していない人が行う方法なので、大半の人は秘密証書遺言書という種類があることを知らないという人も多くなっているのですが、やはり遺産相続でもめるようなことはできる限り避けようと考えて、このような方法で遺言書を作成できるようになっているのです。

複数の遺言書が発見された場合

遺言書というのは15歳以上の人が書けば有効になりますし、何度でも書き直しをすることが可能なので、場合によっては遺産相続を行う際に、複数の遺言書が発見されるという可能性もあるのです。このように複数の遺言書が発見され、すべて内容が異なっていた場合には、どのように遺産相続を行うのでしょうか。
基本的に遺言書というのは1番最後に書かれていた物が有効になるので、日付が最も新しい遺言書が優先されます。また、遺言書が発見された場合には、被相続人が作成した物であることを証明するために、家庭裁判所で検閲を行う必要があるので、弁護士や税理士などの専門家にアドバイスを求めたほうが良い場合もあるということも頭に入れておきましょう。
遺言書の検閲など、わからない法律が遺産相続をする際には色々と出ているので、信頼できる専門家をあらかじめ探しておくことが大切になります。また、遺言書はどんな物でも有効になるとは限りませんので、きちんと法律で認められているような形で作成されているのかという点も重要になります。